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今につながる事

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今日は久し振りに、G-planの中では基本中の基本アイテムを仕上げています。
G-planを知らなくても、 ” どこかで見た事がある ” という方は多いですよね。
1960年代、イギリスを代表する家具の一つです。
このテーブルを初めて見たのは、
僕がまだ吉祥寺駅前の店舗に勤め始めたころでした。
当時は ” ミッド・センチュリー ” という言葉が多くの人に浸透し始めた頃。
僕も例にもれず、チャールズ・イームズ、ヴァーナー・パントン、ジョージ・ネルソンなどの
有名なデザイナーの家具に憧れ、ドイツのヴィトラ・ミュージアムで行われた
” 100の椅子展 ” の写真集を夢中で見ていた頃です。
そんな時に見たG-planは衝撃的でした。
有名なデザイナーの名前が無くても、
世の中にはすばらしいデザインのものがたくさんある事を
気付かせてくれるきっかけになった様に思います。
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その吉祥寺の会社に入る前、
だらしない学生生活を過ごしレコード会社を20社落ちた僕は、
卒業式を間近に控え途方に暮れていました。
   何やって食っていこうか?
そんな時に吉祥寺駅前のビルに張り紙が。
『アンティーク家具、メンテナンス・スッタフ募集…』
 これにしよ。
たまに雑誌の取材なんかで、
「この業界に入ったきっかけは?」
と聞かれる事がありますが、”なんとなく”だったんです。
もちろんその時は、自分で店を持つなんて考えてませんでした。
早速はりきって電話してみたところ、もう締切ったとの事。
” またダメか〜 ” と一瞬思いまたしが、
同じ会社の国内仕入れの店舗で、販売スタッフには空きがあると言われました。
その時電話で対応してくれたのは、その後長い付き合いになる師匠のNさん。
もともと、古い家具が好きだったので迷いましたが、
「商売の基本は同じだよ。」
と彼に言われ面接を受ける事になり、卒業と同時に働きはじめました。
アンティークの家具とはちょっと離れましたが、
前述の通り、当時はミッドセンチュリーのモダンデザインが流行り始めた頃。
その影響を受けた現行品もそれはそれで面白く、
その店舗で働くのは楽しかったし、たくさんの事を勉強させてもらいました。
その後、国産のグレードの高い家具や、
デンマークの中古家具にも携わりましたが、
なぜかイギリスの1950〜60年代の家具への憧れや愛着は消えず、
transistaのオープンへと繋がっていくのです。
随分回り道しましたが、
結局、もとの希望のところへ落ちついた気がします。
20代半ばにメンテナンス・スタッフになろうと思い家具店の門を叩き、
本当に修理や仕上げをするようになったのは30代も半ばを過ぎてからでした。
  10年!?…..
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家具に携わるようになったきっかけや
最初にG-planを見た時の懐かしいのに新鮮に感じたデザインは、
今でも、どこか(いや、思いっきり!)繋がっているような気がします。
僕にとっては初めて見たG-planのアイテム。
なんなく思い入れがあるんですよね。
 
 
 
mura