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バーボン&ソーダ


 
 
どうもハイボールという言葉に抵抗感があります。
 
 
『またまた~、流行ってるからって否定しちゃって~。』
なんて言葉が聞こえてきそうですがそういう訳でもないんです。
僕が20代の頃、とあるBARの師匠に付いてお酒の勉強をさせてもらっていた時期がありました。
時はバブル経済が終焉を迎え、なんとなく消費が萎縮し始めた時期ですが、
その後にやってくる本気の不景気に比べれば、まだまだ世間が浮かれてたような気がします。
ハイボールの語源は諸説ありますが、
本来はウィスキーのソーダ割がハイボールと呼ばれていました。
当時もその言葉は使われていましたが、
20代前半の僕にとってはひと昔の前の呼び方、
つまりオジサンがよく使うワードだと感じてたんです。
(そんな自分も今では立派なおっさんですが…。: 笑)
 
 
お酒の勉強に目覚めた当時はバーボンウィスキーの大全盛期。
バーテンダー時代はバーボンウィスキーで育ったといっても過言ではありません。
アーリータイムス、I.W.ハーパー、フォアローゼスなど、
初めはスタンダードなものから入っていって、
特に好きだったのが吉祥寺パルコ裏の ” Funky ” でよくボトルを入れていたエズラブルックスや
ボトルのデザインがかわいいメイカーズマーク、
当時高級バーボンだったものが円高で手に入り易くなってきたブラントンなんかを好んで飲んでました。
(懐かしい…。)
自分がお客の時、基本的にはロックで飲んでいたのですが、
ソーダ割が飲みたい時は
「バーボンソーダ下さい。あ、バーボンは(ソーダで割るので)なんでもいいです。」
なんて言っちゃったりね。
今考えると恥ずかしいくらいに生意気で笑っちゃうんですが、
当時はなんの臆面もなく言ってたな~。
もし今、隣で飲んでるそんな小僧がいたら、後ろから頭ひっぱたいてやりますよ。
 
 
その後、スコッチウィスキーに目覚めて、
シングルモルトなんかにはまっていくのですが、
バーボンにせよスコッチにせよ良質な日本のウィスキーにせよ、
ロックかストレートで飲む事が多く、ソーダ割を飲む事は少なくなりました。
仮に飲むとしても『○○(ウィスキー名)のソーダ割』という呼び方をすると思います。
ハイボールという言葉が嫌いな訳ではないんです。
ウィスキーのソーダ割ならまだいいのですが、
焼酎のソーダ割までそう呼ぶのはなんか気になる。(サワーでいいじゃん…。)
ただ、お酒のメーカーが ” ハイボール ” というキャッチーなワードを上手く使って、
若い世代にウィスキーをアピールしていくのはとてもいい事だと思ってます。
ウィスキーを嗜好する人の裾野が広がれば、
造り手だってやりがいを感じるし、
業界が活気づいて長く存続していけると思います。
そして、家で飲むのもいいけど、
若い世代にこそ大人の入口である ” BAR ” でウィスキーを楽しんで欲しい。
(すいません生意気に…。)
お酒を選ぶ楽しさ。プロに選んでもらう楽しさ。
丁寧に削られた丸氷で飲むロックスタイル、
ウィスキーと水を1 : 1で割った時の香りの立ち方、などなど。
お酒の知識もお酒を嗜む大人のルールも、
会社や学校では学べない、
でも生きて行く上でほんのちょっと役に立つ事をたくさん学べる場所だと思います。
 
 
 
なんて事書いてたら、久しぶりにBARで飲みたくなってきました。
久しぶりに頼んでみましょうかね、バーボンソーダ。
 
 
 
バーボンは、お勧めのものでお願いします…。
 
 
 
mura